CBR1000RR-R Fireblade [TSR-EWC] 解体新書【Vol,1】
2020ル・マンの勝利は必然
2021.05.30 レース
2021年ル・マン24時間レース(6月12日(土)12:00スタート)を目前に控えた今、昨年のル・マンで何故新型CBR1000RR-R Firebladeが世界で初めて優勝できたのか、TSRのEWC耐久マシンの内部構造の一端を理解するため、マシンをさらに解体してみた。
○出典元:Moto Journal誌(フランス)
※この記事は、MotoJournal誌とHonda Franceが取材制作し、2021年4月にフランスで発行されたMotoJournal誌に掲載のF.C.C. TSR Honda France〜2020ル・マン優勝車とTSRの紹介記事をベースに、新たにTSRにて一部加筆・修正、および写真の入れ替えと動画を追加しより精度を高めた内容にしたものです。
1 エンジン
エンジンはチタンロッドを採用するなど、ノーマル状態ですでに220馬力近くを出すサラブレッド。2020ル・マン車もクラッチを除いて全てスタンダードのまま。しかし、TSRのエンジンビルダー武田による綿密な再計測の後、エンジンが常に最高の性能を発揮できるように組み立てられている。
【2020 ル・マン24時間優勝車CBR1000RR-Rエンジン分解-Vol.1】
2 フロントエアインテーク
レギュレーションでオリジナルのインテークが義務付けられているため、オリジナルのバイクでは、4気筒への吸気のため多くの加工が行われている。よく見ると、エアフィルターが見えるはず。
フロントナンバー#5の左側には、FIM公式映像用カメラがあり、特別なサポートとテストを行って、フロントエンドに干渉しないようにしている。
フロントナンバー#5の左側には、FIM公式映像用カメラがあり、特別なサポートとテストを行って、フロントエンドに干渉しないようにしている。
3 ラジエーター・ストロークセンサー
大面積のラジエーターはHRCキットに含まれており、厳しい条件下でもエンジンの信頼性を確保する。オイルクーラーもスタンダード。
Fフォークに沿って配置されたロッドが前輪の移動量を感知し、データ収集のための情報を提供する仕組み。
Fフォークに沿って配置されたロッドが前輪の移動量を感知し、データ収集のための情報を提供する仕組み。
4 クラッチ・エンジンカバー
GBレーシングのプロテクションの下には、もちろんチームのメインスポンサーであるF.C.C.のクラッチが装着されている。
このクラッチはスプリングとプレッシャープレートの間に中間リングを使用したリミテッドスリップクラッチで、スリップによる影響を最小限に抑えるためのシステム。
このクラッチはスプリングとプレッシャープレートの間に中間リングを使用したリミテッドスリップクラッチで、スリップによる影響を最小限に抑えるためのシステム。
【F.C.C.クラッチ開発-番外編〜脱着】
5 ステップ
ステップはTSRのチーム用スペシャル。シフトロッドにはチタン製のダンパーを採用し、シフトフィーリングを向上させている。
ポジションは市販の4ポジションステップキットと同じ。→SC82用4ポジションステップキット(TSRオンラインショップへ)
ポジションは市販の4ポジションステップキットと同じ。→SC82用4ポジションステップキット(TSRオンラインショップへ)