エストリル12時間耐久レース
12時間後の25秒差で惜しくも2位
2020.09.27 レース
目論見通り、予選2番手からのスタートと同時に、4ポイントを手に入れ、ポイント争いトップのチームとの差を僅かながら縮めて臨んだ決勝レース。
変則的な開催となったこのレースを物語るように、決勝レースは朝7時45分に5分間コースインゲートがオープン。ダミーグリッドについたらウォームアップラップを行い、そのまま決勝絵レースがスタートするという超時短進行。余分なことを行っても、誰も見ていないのだからこれで良いのだろう。
スタートライダーはル・マンに続いてマイクが務めた。好スタートを切り、その後はトップ争いを展開。#37BMWオフィシャルチーム、スタートでミスして出遅れたもののすぐさま追い上げてきた#7、#1,#2あたりが競り合う展開。ジョシュのスティントに入ると、トップを走っていた#37BMWが転倒。#7と我々がトップ争いを続ける格好になった。ともに1分40秒台前半のペースでスティントを変えてもペースと順位は大きく変わらない。
逆転タイトルを獲得するには、お互いに勝って、ポイントリーダー#2の結果を待つしか無いチーム同士、後方にそのライバルを差し置いてトップ争いを展開する。10周以上ピットインのタイミングが違うため、順位が入れ替わったり、差が広がったり縮まったり。お互いに大きなトラブルもミスも見られないまま、周回と時間が積み上がっていった。
その一進一退する中で、終盤の時間をマイクとジョシュに託した我々だが、残り1時間で1分程度あった差を逆転すべく、最後のライダーとなるマイクにバトンが渡る。我々よりピットイン回数が多い#7は、最後にもう1回ピットインすると想定していた通りなったが、給油だけのピット作業ではその差を完全に縮めることはできず、2位で12時間後のチェッカーを受けた。
とはいえ、コロナ禍の中でマシンを作り参戦を決め、2戦の世界選手権で優勝と2位という結果を残した。時間軸で考えれば、1年以上前の出来事になるわけで、随分前に感じる2019ー2020シーズン開幕戦2019年9月のボルドール24時間、そして続く12月のセパン8時間と思ったような結果を残せなかった。しかし、新型CBR1000RR-Rを誰よりもどこよりも早く開発に着手し、世界ランキングも3位で2019ー2020シーズンを終えることができた。来季の行方はまだ正式発表されていないが、2021年としてのシーズンになる公算が大きいようだ。いずれになろうと、我々のスタンスで参戦に臨むつもりだ。特にこの状況の中で戦った経験は、チームをより一層強くしてくれるに違いないと確信している。
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●藤井正和チーム総監督のコメント
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『正直つらくて苦しいシーズンでした。この今の世の中の状況で、こういうことをやろう、成し遂げようと思うことそのものに、やはり少し無理があるのは端から分かってました。そんな中でもル・マンで優勝できたし、この12時間耐久も12時間走って25秒差。これはもう、胸を張ってみんなよくやったな、って言いたいですね。いい結果でした。来年に向けてしっかり仕込んで、強いチームを作りたい。そんな思いで一杯です。しっかりやります。ありがとうございました』
12 Hours of Estoril - Final results after 12 hours - Final ranking