EWC Inside Line with
Mike Di Meglio – 14 Questions
2023.03.08 レース
Q1; 今シーズンはホンダの1号車でレースに臨みますが、その重要性は?
『ホンダにとっても、HRCにとっても、ホンダ・フランスにとっても、そして僕にとっても、とても重要なことです。私がこのチームに来たとき(EWC2018-19シーズン)、彼らは以前タイトルを獲得していましたが、私にとっては初めてのチームでした。昨年は我々にとってかなり複雑なシーズンだったが、この冬、チームは多くのことをやってくれている。今シーズンはもっと競争力があると思うし、フィーリングも良くなると思うし、2023シーズンも1位をキープできると確信している』
Q2; その自信はどこから来るのでしょうか?
『昨年はエキゾーストに多くの問題があり、この問題で多くの時間をロスしてしまった。これを除けば多くのレースで勝つことができたと思う。今シーズンはTSRエキゾーストが復活するし(r’s gearブランド)、新しいスイングアームにも取り組み、日本では高橋裕紀とテストを行い、すでにラップタイムは以前よりも良くなっています。ル・マンのテストでは、我々のレベルがどの程度なのかを確認することができるので楽しみだ』
Q3; 世界タイトルの防衛に成功することは、どれほど特別なことだと思いますか?
『もう35歳なので、そろそろキャリアの終わりに近づいてきていますが、その最後をいいものにしたいし、ホンダでもっと多くのものを勝ち取りたい。つまり、ホンダと自分のチームに多くのタイトルを与えたい。これ以上自分にプレッシャーをかけるつもりはないが、一方ではそれができることは分かっている。昨年は1勝もできなかったけれど、ワールドチャンピオンになったことから言うと、レースではまずはミスをしないこと、クラッシュしないこと、そしていいリズムで走ることがとても重要だ。レースで勝つことが一番重要なのではなく、最終目的がワールドチャンピオンであれば、レース結果すら犠牲にしたほうがいい場合もある。これが最も重要なことなんだ』
Q4; 今シーズンの最強のライバルは誰でしょう?
『いつものようにSERT、YART、BMWのようなチームが考えられるが、新しいKM99チームや#333(Honda Viltaïs Racing)、特に彼らはホンダと一緒になったので、それも考えなければならない。いずれにしても年々競争が激しくなっているので、気を抜いてはいられない。常に改善策を見つけ、スピードを上げていく必要がある。鈴鹿は特別なレースだからということで除外しても、その他の24時間レースは誰にでもチャンスがあることは分かっている。EWCでは、マシンのトラブルやクラッシュなど、何が起こるかわからないし、第一とても長いレースだからね』
Q5; 今シーズンは、EWCと並行してフランス選手権にも参戦されますね。両方やることのメリットは?
『以前はMotoEで走っていたこともありましたが、昨年は他の選手権には参戦していません。スプリントレースで高いレベルを維持するのはとても面白いことでした。特にフランス選手権でスプリントレースをやっていくことのはとても幸せです。何しろ、20年振りにスプリントレースをすることになり、それだけでもとてもうれしい。フランス選手権は、僕にとっても、ホンダにとっても、いいトレーニングになるだろう。他の選手権から参戦しているライダーは皆、レベルが高いこともわかっている。そのため、EWCにもっと照準を合わせていきたいし、自分たちのレベルも強く保っていく必要がある』
Q6; スプリントレースとエンデュランスレースの切り替えは難しそうですか?
『3月26日にル・マンでフランス選手権の初レースがあり、2日後の28日・29日にEWCの事前テストがあるので、今のところわからないとしか言えない。初めての経験なので、どうなることやら…。以前、フルスタンダードのCBRでコーチングを受けたこともあったが、そのときは5、6周しないと適応できなかった。でも、僕らのバイクは乗り慣れているし、さらに良くなっているので、適応しやすいと思うよ』
Q7; ル・マンでのフランス選手権のレースは、24時間レースにどの程度役に立つと思いますか?
『アドバンテージにはなるが、自分のスタイルに集中し、その後EWCに適応する必要があると考えている。1月からフランス選手権のために6日間のテストを行ったが、初戦の前にまたテストを行う予定なので、これまでよりも多くバイクに乗ることができる。そうすることで自分のスピードをより高めていけると思う』
Q8; 昨年、チームメイトのジーノ・リアが鈴鹿でひどいクラッシュをしたときは、あなたにとってもジョシュにとってもチームにとっても本当に大変な出来事だったのではないでしょうか。その時、どんな辛さでしたか?
『鈴鹿では、特に彼がクラッシュしたコーナーでのパッシングがとても大変でした。普段のレースでは、彼がバリアにぶつかった場所が私たちのすぐ近くにあるとは意識していなかったよ。(その後)レースをしていて、アウト側の何人かを抜こうとしたときに、バリアがとても近く感じたので、そこでコンマ何秒かロスしてしまったんだ。普段ならそんなことは考えもしない。アラン・テシェがボルドールに僕らを助けに来てくれたけど、チャンピオンがかかったレースで、そのプレッシャーはとても大変だった。ミスできないしね。でも、大変だったけど、世界チャンピオンになれてとても嬉しかった。スパでジーノが本当に素晴らしい仕事をしてくれたことを誰もが理解していたからね』
Q9; 彼の回復が進んでいるのを見るのは、とてもうれしいことでしょう?
『毎日、インスタで彼がサイクリングなどをしているのを見ると、とてもうれしいです。いつか彼がオートバイにも乗れるようになることを願っています。レーシングライダーとして戻れるかどうかはわからないけど、もし彼が何周か走って、過去に好きだったことを楽しめるなら、それはもう彼にとってとてもいいことだと思う』
Q10; アラン・テシェは良い後任だと思いますか?
『もちろん。チームもアランのことは以前から知っています。ただ、失敗も多かったので、彼にとってはセカンドチャンスだと思う。チームが彼にもう一度チャンスを与えた形で、彼にとっても良い機会でしょう。実際、ボルドールではとてもいい仕事をしたので、今シーズンもこの方向性を続けていく必要があると思う。フランス選手権では、チームメイトでありライバルにもなるので、とても良いことだと思う。EWCとフランス選手権で、より緊密な関係を保つこともできるしね』
Q11; 今シーズンの初戦を前に、ブガッティサーキットの耐久レースに対する難易度は?
『難しいけど、大丈夫でしょう。EWCで私にとって苦手なのは鈴鹿で、とても暑いし、S字カーブは素晴らしいけれど、そこを抜けると死にそうになるし…。ル・カステレ(ボルドールの舞台、ポールリカールサーキット)はストレートが長くて大変です。ル・マンでは、あまりプッシュせず、スムーズで良いライディングで走る方法を見つければ、大丈夫です』
Q12; 4月のル・マン24時間は日照時間が短く、暗闇の中でレースをすることも多くなりますが、それは問題ないのでしょうか?
『夜のレースで一番大変なのは、スティントの間に眠ってしまうときが一番大変です。マネージャーが起こしてくれるんですけどね。しかし、バイクに乗ると、夜のバイクはとても速く、パワーもあり、タイヤもグリップしてくれる。視界に適応する必要があるんだけど、ル・マンはとてもいいコースで、視界もとてもいいから、それほど難しいことではなく、乗っているととても楽しいよ』
Q13; レースに出ていないときは、どのように過ごしているのですか?
『幸いなことに、私の仕事はレーシングライダーであることなので、それに集中することができます。バイクに乗ったり、カートに乗ったり、サーキットでコーチングをしたり、フィジカルなトレーニングもたくさんしています。でも、今年はフランス選手権とEWCのダブルプログラムなので、より難しくなりそうですが、毎週たくさんトレーニングしています。バイクに1、2回、カート、サイクリング、毎日何かしていますよ。昨年は体重が増えてしまったので、この冬はEWCのために2021年のレベルまで体重を落としています。すでに4、5キロ、あと3、4キロは落としたいと思っています。私には11歳と7歳の男の子がいて、遊び半分ですが彼らもバイクをやっています。休みの日には、私がトレーニングに行くと、彼らもバイクに乗るので、一緒に楽しんでいます』
Q14; バイクレースにおけるヒーローは誰ですか?
『若い頃、私には大好きなライダーが3人いました。バレンティーノ・ロッシ、マックス・ビアッジ、ロリス・カピロッシです。ビアッジのスタイル、カピロッシのアグレッシブさ、そしてロッシの戦略性が好きでしたね。彼らは僕のドリームライダーだったんだ』
【FIM耐久世界選手権2023カレンダー】
第1戦:24 Heures Motos(フランス ル・マン ブガッティ・サーキット)4月13日~16日
3月28日・29日:Le Mans Official test
第2戦:24H SPA EWCモトス(ベルギー/スパ・フランコルシャン・サーキット)6月16日〜18日
第3戦:鈴鹿8時間耐久レース(日本・鈴鹿サーキット) 8月4日〜6日
7月5日・6日:Suzuka Official test
第4戦:ボルドール24時間レース(フランス、ポールリカールサーキット)9月14日~17日