波乱を乗り越え、2023鈴鹿8耐を4位フィニッシュ。ランキングトップに!

2023.08.06レース

気温33度、路面温度45度、湿度82%。メインストレートで強めの向かい風が吹く中、11時30分、ル・マン式によりレースがスタートした。
10番グリッドからスタートしたマイク・ディ メリオが5番手で1コーナーへ。マイクはひとつ順位を上げ、4番手でオープニングラップを終了すると、2周目のデグナーでさらにTeam HRC with Japan Postをもパスして3番手に浮上する。Yoshimura SERT Motul、YART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC、そしてF.C.C.TSR Honda Franceと、EWCレギュラー参戦チームがトップ3となる。

次第にYART、Team HRC、SERTがトップグループを形成し、マイクは単独4番手に。その後マイクは若干ペースを落とし、12周目を8番手で終了。さらに10番手となり、19周目のシケインでフロントが切れ込むようにして転倒。20番手まで順位を落とした後、そのまま走行を続ける。
マイクはひとつ順位を回復して19番手に。ピット作業でマフラー、ステップ、前後のタイヤを交換し、アラン・テシェにライダーチェンジしてコースに復帰する。

転倒とマシン修復作業のため、一時的に32番手まで順位を落としたが、その後は順調に順位を回復。2ラップ遅れでスタート後1時間を迎える。

アランからチェンジしたタラン・マッケンジーも順調に周回を重ね、再びマイク、続いてアランがスティントを終え、11番手まで順位を回復してレースは折り返しを迎えた。

5時間が経過した頃、西ストレートで転倒したマシンがコース脇に留まったことにより、2023鈴鹿8耐で初めてSCが導入される。15分ほどと長めのSCランの後、レースが再開。スタートして6時間5分、ルーティンのピットINでタランからマイクにチェンジ。これでタランは2回のスティントを終えたこととなる。
鈴鹿8耐初参戦のタランはレース中終始良いペースをキープ。SC後の接近戦では激しいバトルも展開して9〜10位で自身のスティントを終えてバトンタッチ。チームに貢献する走りを披露した。

レースがスタートして6時間30分後の18時頃、1コーナー方面が真っ黒な雲で覆われると18時13分に雨が降り始め、全車がペースダウン。ウェットタイヤへとタイヤ交換するチームもある中、F.C.C.TSR Honda Franceはマイクがスリックのまま走行。それまでじわじわと上げていた順位を一気に5位へと引き上げた。そしてマイクからライダーチェンジしたアランも、前後チームとの差がチェッカーに向けて気になる時間帯もあったが、無事4位でチェッカーを受けた。

レース前、チャンピオン争いを1ポイント差で先行していたYARTは、序盤からHRCとトップ争いを展開していたが、早い段階でマシンがストップ。大幅に順位を落としてポイント圏外に脱落した。

この結果、F.C.C.TSR Honda Franceは2023鈴鹿8耐で19ポイントを獲得し、合計ポイントは136に。ランキングトップに返り咲き、最終戦ボルドール24時間を迎えることとなった。

【マイク・ディメリオ】
『クラッシュしたことは、チームには申し訳なかったけど、なんとかコースに復帰することができた。だから、終盤にコンディションが急変した時は、5位まで上げるためにベストを尽くしたんだ。表彰台に上がることは夢だったけれど、ここで、4位フィニッシュできたことはとても良かったと思う。ボルドールでチャンピオンを決めたい』

【アラン・テシェ】
『4位でフィニッシュできて、我々にとっては良かった。多くのポイントを取れたしね。我々はチャンピオンシップに勝つことだけを考えているので、これで次のボルドールに集中することができる。勝ってチャンピオンを取りたいね』

【タラン・マッケンジー】
『初めての鈴鹿8耐は難しかった。当初はレースに出ることになるとは思っていなかったからね。チャンピオンシップを争うチームに何度か迷惑を掛けてしまったけれど、無事走り切ることができてホッとしているよ。応援してくれたファンの皆さん、ありがとう』

【藤井正和チーム総監督】
『我々は基本的に24時間レースを戦っている。今回が24時間ならYARTもYOSHIMURAも復活してくるに違いない。そういった中で戦い、タフな戦略が身についてきた。14ポイント差をつけて、ボルドールに臨み、堂々と戦って連覇を達成したい』

Suzuka 8 Hours - 2023 FIM Endurance World Championship - Final results after 8 Hours - Provisional ranking
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