巷の噂「チタンは折れる」ってホント!?

チタンの真実・第5弾「チタンは折れる、でも実は…折れるのは純チタン」

20年ほど前でしょうか、当時「チタンボルトは折れる」という話をよく耳にしました。
でも最近は、ほとんど聞かなくなりました。

なぜ、最近は聞かなくなったのか?
チタンボルトはホントに折れるのか?

チタンボルトは折れるのか?

折れるのか? と聞かれれば「折れます」という回答になります。

ただこれは、「折ろうとすれば、折ることはきる」というもの。
強度以上の負荷を与えれば当然折れます。

でもそれは、チタンに限ってではない。
鉄やステンレスといったどんな材質でもいっしょ。

むしろ、鉄やステンのボルトよりはるかにチタンは強いです。
では、なぜ「チタンは折れる」と言われたのでしょうか?

強いチタンボルト、弱いチタンボルトがある

単に「チタン」といっても様々な種類があります。
そのなかでボルトに使われるのは以下の2つ

Ti-6Al-4V

純チタン2種

バイク業界で「チタンボルト」と言えば、①のTi-6Al-4Vになります。
通商「64チタン」と呼ばれるもの。

もちろん、モトロックマンのボルトもTi-6Al-4Vです。
これは、はっきり言って強い!

では、もう1つの純チタン2種はと言うと…
64チタンの半分以下の強度しかないんです。

そう、折れるチタンボルトの正体は「純チタン」のボルトなんです。

純チタンボルト

純チタンと聞くと高級感があるように思えますが、実は逆。
チタンにしてもアルミにしても「純」とつくものは弱いんです。

Ti-6Al-4Vは、チタンに6%のアルミと4%のバナジウムを含んだ合金です。
金属は純金属よりも合金のほうが強いんです。

「折れる」が広まった原因

折れるチタンボルトの正体は、純チタンのボルトだったのですが
それを広めてしまう原因になったのが老舗の自転車パーツメーカー。

この会社が販売したステムに付属されてたのが純チタンのボルトだったんです。
聞くところによると、まぁよく折れたそうです。

チタンボルトをウリにしてたかどうかまでは知りません。
ただ、これが原因で「チタンは折れる」という噂がひろまったようです。

純チタンボルトの見分け方

では、ここからは間違って純チタンを購入しないよう、見分け方を説明します。
見分ける方法は以下の4つがあります。

・ 表記の確認

・ 値段による確認

・ 切削の形跡がない

・ 研磨されてエッジ

① 表記の確認

まずは、商品にタグやポップを確認しましょう。
純チタンと64チタンを表す言葉はいくつかあります。

純チタン

・JIS2種
・Grade2
・Gr2

64チタン

・JIS60種
・Grade5
・Gr5

・Ti-6Al-4V
・TAB6400
・α-βチタン

② 値段の確認

相場よりも極端に安いものは怪しいです。
ただ、なかには極端に安い64チタンも存在します。

弊社も含め、業界に属する企業は業販を考慮した定価設定になっています。
でも、今は個人で海外から仕入れして物販できる時代です。

そういったところが B to C で販売してるものは安いです。
ホントに64チタンであれば問題はないです。

ちなみにホームセンターや工務店で売ってるボルトは、全て純チタンです。

③ 切削の形跡がない

次はビジュアルによる確認方法。
これが純チタンのボルトです👇

このように鍛造のまま、切削されてないものは純チタンです。
安価でできた純チタンのボルトに、わざわざ切削なんてしません。

④ 研磨されたボルト

厄介なのがこれ。
バレル研磨して光沢のあるボルト。

このように角(かど)にエッジがない場合は切削ではなく研磨です。
本物のチタンボルトを見たことがないと間違えるかもしれません、要注意!

そのほか、アルマイトされた純チタンボルトもあります。
そういったものも切削されているかを確認してください。

また、切削されたステンレスボルトもあります。
これは持ってみないことにはわかりません。
まぁ、ここまでくると完全に詐欺ですね。

この記事を書いた人

パーツメーカーやレースチームの黒子として多くの開発実績を持つ実力派エンジニア。
また「バイクをカッコよくする」をテーマに、プロの技術と知識をブログやSNSで惜しみなく発信中。