以前、こんな問い合わせがありました。
「パッドを購入したとき、店員さんは『アタリが出るまで気をつけて』と言います。あれって『パッドとディスクを馴染ませろ』って意味ですよね? でも、耐久レースでディスクやパッドを交換しても、レース中に慣らしなんて出来ないじゃないですか。交換直後から全力で走ってるのを目にします。だったら、アタリ出しなんていらないのでは?」
いや~、メッチャいい質問ですね。
では、順に説明していきます。

ストリートではアタリ出しは必須!
まず、結論から言うと、新品パッドの慣らしは必要です。
理由は、ディスクが長期間の使用で摩耗し、変形しているから。
そのため、新品のパッドを装着するとフィットしません。
ぴったりフィットするまでの期間が「アタリ出し(慣らし)」というわけです。
これはレースマシンであっても同じなんですが、レースではアタリ出しが必要ない理由があるんです。
なぜ、耐久レースでアタリ出しをしない?
耐久のレース中に、アタリ出しをしないのには2つの理由があります。
- 1. パッド交換をしないから
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そもそも8耐ではパッド交換しないんです。
耐久用のパッドは非常に厚いから、8時間のレースであれば交換の必要がないんです。 - 2. ディスクが摩耗してないから
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耐久レースでは、タイヤ交換の際にディスクも交換します。
厳密に言うと、タイヤ、ディスクがすでに装着されたホイールごとの交換になります。で、その交換サイクルは1時間に1回が理想です。
いかにハードブレーキングを繰り返しても、1時間程度ではディスクはほとんど摩耗しません。交換されるディスクも前と同じ仕様なので、パッドへのアタリは変わらないというわけです。
24時間耐久では?
ル・マンやボルドールの24時間耐久レースとなると、さすがにパッドも交換が必要。
実際は、キャリパーごと交換します。
急にパッドが厚いものに戻るため、フィーリングの変化は当然あります。
でも、ディスクも同時に交換するため、どちらにも編摩耗はありません。
理論的にはスタート時の状態に戻ることになります。
そんなわけで、レース中にアタリ出しは不要ということです。
ただし、全く何もしないわけではありません。
新品のパッドをいきなり本番で使うわけではないです。
練習走行の際に慣らしを行います。
この作業を「焼き入れ」と呼び、通常は2周ほど行います。
新品タイヤの皮むきと似たようなものです。


