アルマイト博士への道②、色あせは色ごとに違う!

現在、アルマイトによって出せる色はかなり豊富にあります。
それら色物の大半が、表面にできた「微細な穴」に染料を染み込ませて着色です。

では、染料以外にはどんな工程で、どんな色があるのか?
また、色によって「色落ち」も変わってきます。

今回はそんなアルマイトの色、さらには光沢の違いについて解説します。

アルマイトの光沢

一番の定番色であるシルバーですが、ホントはシルバーではなく「クリアアルマイト」なんです。
シルバーに見えるのは、アルミの地の色なんです。
染料によるシルバーもできますが、ほとんどがクリアです。

アルマイト皮膜そのものは「無色透明」なんです。
そのため、下地のアルミの状態によって、アルマイト後の光沢も変わります。

化学研磨・電解研磨 → 鏡面のような強い光沢
エッチング・ショットブラスト → 艶消し、マット仕上げ

同じ色でも、下地が鏡面ならキラキラした質感に、マットなら高級感のある落ち着いた質感に仕上がります。

硬質アルマイトとハードアルマイト

硬度を上げるために、通常よりも被膜を厚くしたのが硬質アルマイト。
「ハードアルマイト」とも呼ばれ、耐摩耗性が必要な可動部などに施されます。

通常の被膜 → 10ミクロン前後
硬質の被膜 → 最低でも20ミクロン、平均40ミクロン

皮膜が厚くなることで透明度が下がり、少しオリーブっぽい色味が出ます。
この「硬質ならではの色」を好むライダーも多いですが、処理が大変な分、コストも上がります。

そこで硬質っぽい色にした電解着色のアルマイトもあります。
硬質の記載のないハード色やシャンパンゴールドと言われるのがそうです。
金属の粉を穴に定着させるので、染料より色が長持ちするんです。

対候性ランキング

最後に「色落ち」しにくいランキングです。

スクロールできます
1位硬質皮膜自体が厚く、素材自体の色のため、変色は皆無。
2位クリアアルミ本来の色のため、「色あせ」という概念はない。
3位シャンパン金属の粉を定着させる電解着色のため、日光に極めて強い。
4位染料の中では最も密度が濃く、日光に対してかなり粘る。
5位比較的耐えるが、数年で色が薄くなり、最終的にシルバーに近づく。
6位紫外線に弱く、だんだんと水色っぽく色が抜けていく
7位青と同様。鮮やかな色は光の影響を受けやすく、寿命は短め。
8位染料が壊れる際、赤みが先に消えるため、色の変化が目立ちやすい。
9位紫外線を最も吸収しやすく、一番早くピンク〜白っぽく退色する。

カラーパーツを選ぶ際、見た目の好みで攻めるか、長く持たせるために強い色を選ぶか。
悩ましいところですね。

この記事を書いた人

パーツメーカーやレースチームの黒子として多くの開発実績を持つ実力派エンジニア。
また「バイクをカッコよくする」をテーマに、プロの技術と知識をブログやSNSで惜しみなく発信中。